【化学に関すること】

なぜけしゴムでえんぴつの字がきえるのか?(3年 Kさん)

【かいとう】

えんぴつのしんって、すぐおれるし、けずれることからもわかるように、けっこうやわらかくて、はがれやすいんだ。

えんぴつのしんを紙にこすると、しんがはがれて、しんのこなが紙にくっつく。

みんながつかっている消しゴムは、そのくっついたしんのこなを、うまく引っつけることができるから、消しゴムでこすると字がきえるんだね。

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【せつめい】
〇消しゴムのしゅるい
消しゴムには2しゅるいあって、みんながつかっている消しゴムは、ほとんどがプラスチックでできているんだよ。
「じゃあ、消しプラスチックじゃん!」っておもったかな?
そのとおり、みんながつかっている消しゴムはほとんどが「消しプラスチック」なんだ。
消しゴムのケースを見てみて。「プラスチック消しゴム」とか「PLASTIC ERASER(英語で、プラスチック消しゴムという意味)」って書かれている物があると思う。

でも、ほんとうのゴムでできた消しゴムもあって、この消しゴムはしんをくっつけるのではなく、紙をけずりとって字を消すんだって。
だから「ゴムでできた消しゴム」では、ボールペンの字も消せるよ。 でもきっと、「ゴムでできた消しゴム」でずっと紙をこすっていると、どんどん紙がうすくなってしまうね。

昔は、「ゴムでできた消しゴム」しかなかったみたいなんだけど、70年前くらいに、日本人がぐうぜん、プラスチックでえんぴつの字がよく消えることに気が付いて、「プラスチック消しゴム」が作られるようになったらしいよ。
紙をけずりとらないから、紙がいたまなくて、プラスチック消しゴムの方がいいよね。

「ゴムでできた消しゴム」が発明されるよりもっと昔は、パンを消しゴムのようにしてえんぴつで書いたところを消していたんだって。

〇プラスチック消しゴムで字がよく消える理由
あとで少しくわしくせつめいするけど、みんなが見ているような物は、みんな「原子(げんし)」とか「分子(ぶんし)」でできているよ。
原子は、いろんなものを作っている、目に見えないくらいちいさなつぶのようなもの。
分子は、原子がいくつかつながってできたもの。
原子や分子がつながって、すべての物ができているんだ。

ところで、プラスチック消しゴムを作っている分子のつながり方は六角形をしているんだって。
えんぴつのしんを作っている原子は「黒鉛(こくえん)」というんだけど、その原子のつながり方も六角形をしていて、プラスチック消しゴムとえんぴつのしんは、お互い六角形でよく引っ付くらしいよ。
えんぴつのしんは、紙よりもプラスチック消しゴムの方とよく引っ付くから、消しゴムで紙をこすると字がきえるんだね。

〇分子と原子
物を作る分子や原子のつながりかたで、物のせいしつは大きく変わるんだ。
えんぴつのしんがはがれやすいのも、原子のつながりかたのせいだよ。

ちなみに、えんぴつのしんにつかわれている黒鉛は、ダイヤモンドと同じ「炭素(たんそ)」でできていて、黒鉛をものすごく熱くて圧力が高いところにおくと、ダイヤモンドができるんだって。

原子をさらにこまかく見ていくと、「電子(でんし)」や「陽子(ようし)」や「中性子(ちゅうせいし)」でできているよ。
空気も、水も、鉄も、木も、こまかく見ていくと、ぜんぶ「電子」「陽子」「中性子」でできているよ。
おなじ「電子」や「陽子」でできているのに、そのりょうによって、ぜんぜんちがうせいしつの物になるのって、とてもふしぎだね。


色のあわをつくってほしい(2年 Hさん)

色のあわ、つくります!

12月19日(月)14:40から、うんどうじょうで

色のあわをつくるからあつまってね!!

 

【色のあわができるしくみ】

「過酸化水素水(かさんかすいそすい)」というえきたいがあるんだけど、しってるかな?

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「かさんかすいそすい」は、「水素(すいそ)」と「酸素(さんそ)」という気体(きたい)でできているんだ。
さんそは、みんなもしってるかな?人がいきをして、生きていくためにひつようだね!

「かさんかすいそすい」の中から、さんそをとり出すことができるんだ。
「かさんかすいそすい」というえきたいの中から、さんそという気体をとり出すから、このとき、ブクブクとあわが出てくるよ。
「かさんかすいそすい」に色をつけておいたら、色のあわができるよね!


塩はなんでかたまるのか?(けっしょう)(5年 Hさん)

【かいとう】

食塩水の水をじょう発させると、塩のけっしょうができるね。

なんで塩がかたまるのか、というのは、食塩水の水を蒸発させた時に、①なぜ塩はじょう発してなくならないのか、②なぜ、こなみたいな塩ではなくきれいなけっしょうになるのか、という2つの質問かな。

 

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【かいせつ】
①なぜ塩は蒸発してなくならないのか
みんなが目にしている物は全て、「原子」という目に見えないくらいこまかいつぶがいくつもつながり合ってできているんだ。

塩は、ナトリウムという原子と、塩素という原子がくっついてできているよ。
水は、水素という原子2つと、酸素という原子1つでできた水の「分子」(ぶんし。いくつかの原子が強くつながった状態のこと)でできているよ。

塩に水を加えると、ナトリウム原子と塩素原子が、水の分子にひきよせられて、バラバラになってしまうんだね。
(なぜ水の分子にひきよせられるかというと、電気の力のせいなんだけど、これを説明すると少しむずかしいから、今回は説明からのぞくね。知りたいときはまた質問してね)

ナトリウム原子と塩素原子がくっついていれば、固体の「塩」になるんだけど、水が加わってバラバラになってしまうと固体ではなくなって目に見えなくなってしまう。
このナトリウム原子と塩素原子がバラバラになって目に見えなくなってしまった状態が、塩が水に溶けた状態なんだ。

そして、塩水をあたためたりすると、水はどんどんじょう発していくね。
水がどんどんじょう発して無くなっていくと、水分子にひきよせられてバラバラになっていたナトリウム原子と塩素原子がすぐに2つでくっついてしまって、固体の塩にもどっていくんだ。
こうして水がじょう発したらすぐに、ナトリウム原子と塩素原子が固体の塩になってしまうから、塩はじょう発せずに残るんだね。

ちなみに、塩を800度以上に熱すると、溶けて液体になるよ。液体になった塩は、水と同じように蒸発していくよ。

②なぜ、塩はきれいなけっしょうになるのか
学校で習う塩のけっしょうは、きれいな四角い形をした物かな?

けっしょうは、つながり合った原子・分子が、きれいに整列しているじょうたいだよ。
なぜこのようなきれいな形になるのかというと、原子・分子は、きれいに整列した状態になった方が安定するからなんだ。

水の中でバラバラになったナトリウム原子と塩素原子が、水がじょう発してまたくっついて固体の塩になると書いたよね。
ナトリウム原子と塩素原子がくっつくとき、この図のように立方体を積み重ねてゆくような形になっていくんだね。
空いているすきまがあれば、どんどんそこに原子がひっついていって、すきまができないように、最も密になるようにひっついていくんだ。
これを最密充填(さいみつじゅうてん)と言うよ。
縦・横・上・どの方向に向けても同じ速度で、最密充填がどんどんくりかえされていくと、自然に、きれいに立方体になっていくことになるよね。
みんなが授業で見る、きれいな食塩の結しょうは、この自然にできた立方体だよ。

よくある、きれいな結しょうの写真は、結しょうしてゆくときの自然な形が残っているものだよね。
だけど、それをけずりとっても、結しょうであることに変わりはないから、細かくなっている食塩のつぶも、結晶だよ。

③おまけ
原子・分子の最密充填がどんどんくりかえされていけば、自然に結しょうすると言ったよね。
これは塩以外でもいっしょだから、塩以外の物も、条件が整えば、固体になってゆくときに最密充填によってきれいに整列していくことが多いから、きれいに大きくなった結しょうの形が見れるよ。
ミョウバンやホウ酸の結しょうは習ったかな?ほかにもいっぱいあるよ。
ダイヤモンドや、ルビーなんかも結しょうだね。
ふつうの氷や、多くの金属も結しょうといっていいと思うんだけど、なかなかきれいな結しょうしてゆくときの自然な形は見れないね。

「水しょう」って見たことはないかな?
水しょうは、こんな形(写真)をしているんだけど、これはケイ素という原子と、酸素原子2つがくっついた「分子」が、きれいに整列した状態だよ。

とても熱い地下深くでは、石がドロドロにとけているのは知っているかな?
このドロドロに溶けた石が冷えて固まるときに、石の成分や固まる時の状況によっては、ケイ素と酸素2つでできた「分子」が、きれいに整列しながら並ぼうとして、水しょうの結しょうができるんだ。

水しょうと同じように、ケイ素原子と酸素原子2つがくっついた「分子」で作られている物に、ガラスがあるよ。
ガラスは、水しょうと同じ分子でできているけど、きれいに整列していないから、水しょうのような形にはならなくて、固さ(水しょうの方が固い)や溶ける温度(水しょうは1650度、ガラスは720度)もちがうよ。
「ガラスは、分子・原子がきれいに整列していないから、固体ではなく液体である」という考え方もあるみたい。実際、ものすごく長い年月が経つと、ガラスは液体のように、自然と形が変わっていくらしいよ。

*この回答は、山内侑・名古屋大学名誉教授に監修いただきました。中学・高校レベルの化学の問題でしたが、大変ご丁寧にご教示いただき、ありがとうございました。