【かいとう】
かずにはおわりがないから、ぜんぶのかずになまえをつけることはできないよね。
日本ごでなまえをつけたすうじには、一、十、百、千、万(まん)、億(おく)・・・・とつづいて、「無量大数(むりょうたいすう)」というすうじまでは、なまえがついているよ。
「無量大数」は、1のあとに0が68こならぶよ。
だけど、そのあとのかずについてはなまえがないから、「0をなんこつけるか」というあらわしかたをするよ。たとえば、0を80こつけるすうじなら、「1080」というあらわしかたをするよ。
もちろん、すうじをなんこもならべたら、どんなかずでもあらわせるよね。
たとえば、「1078709780787078097890780970878787078097078707807025324713278329161309870978」みたいに。
すうじをかんがえた人は、こんなふうに、いくらでもかずをあらわせるようにしたんだね。
こうこうで、すう学の先生をしている中西海人(なかにし かいと)先生に、かずやすうじのれきしについてきいてみたよ!
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【かいせつ】
〇かず・すうじのれきし
むかし、とりや、さかなや、どうぶつをとってくらしていたころには、大きさをくらべたり、かずをかぞえたりするのに、なわのむすび目をつかったり、木にきずをつけたりしていました。
これが、かずのはじまりみたいだよ。
かずをあらわすのに、むすび目や、木にきずをつけるのではふべんだし、大きなかずはかぞえられないよね。
いまからだいたい6000年まえ、メソポタミアちほう(いまのイラク)のシュメール人が、すうじをはつめいしました。
すうじは、かんじでかくと「数字」となって、「数(かず)をあらわすための字」といういみだよ。
シュメール人のはつめいしたすうじは、くさびのかたちをしていたため、「くさびがた文字」といわれています。
ほかにも、むかしのすうじとして、シュメールの文かをうけついだバビロニア人のつくったすうじ、エジプト人がつくったすうじもあります。
いまもつかわれている1~9のすうじ(「アラビアすうじ」というよ)は、2000年いじょうまえにインド人がかんがえて、せかい中にひろまりました。
さいしょは「0」というすうじはなかったんだけど、1500年まえくらいに「0」というすうじもつくられたみたいだよ。
〇かずのふしぎ
あなたがきいてくれたように、かずにはおわりがないよね。
大きなかずだけじゃなく、小さいかずにもおわりがなかったりするよ。
じつは、いちばん小さいかずは「0」じゃなくて、「マイナス」というのもあるんだよ。0どよりひくいおんどは「マイナス2ど」とか言うでしょ。
あと、1と2のあいだのかずとかもあって、「ぶんすう」とか「小すう」というかずのあらわしかたも、かんがえられているよ。
だけど、「ぶんすう」や「小すう」ではあらわせないかずもあるんだ。
かずのことをいっしょうけんめいかんがえると、むずかしいことがいっぱいあるよ。
だけど、さんすうができるようになると、いろんなことがわかるよ!
いっぱいおもちゃをかったらいくらになるか、まい日10円ちょきんしたら、1年で3650円ちょ金できる、50メートルを10びょうではしったらじそく18キロになる、ちきゅうの大きさ、たいようまでのきょり、こんなことがぜんぶ、さんすうでけいさんできるんだ。
すごいでしょ!がんばってさんすうのべんきょうしようね!
【かいとう】
図1のような直角三角形で「c×c=a×a+b×b」となることを、「三平方の定理(さんへいほうのていり)」というよ。
なぜ三平方の定理が成り立つのかの説明は、いろいろなやり方があるけど、一番わかりやすいのは、図2かな。
図2をよく見ながら少し考えてみて。答えが書いてあるぞ!
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【かいせつ】
図2は、説明がなくても答えが書いてあるようなものだから、図2をよく見てもらう方が分かりやすいかもしれないけど、言葉で説明するよ。
〇左上の正方形の面積
3辺の長さが図1のようにa,b,cである直角三角形(④)を、図2の左上の部分のようにぐるっと4つならべると、左上には1辺の長さがa+bとなる正方形ができるよね。
そして、その真ん中には、1辺の長さがcとなる正方形(③)ができるね。③の面積はc×cになるよね。
図2を見たらわかるように、左上の1辺の長さがa+bの正方形の面積は、③+④×4になるよね。
〇右下の正方形の面積
図2の右下の部分のように、三角形Aの、長さaの辺を1辺とする正方形(①)と、長さbの辺を1辺とする正方形(②)を作ってみる。 ①の面積はa×a、②の面積はb×bになるね。
すると、①の右側のスペースは、縦がa・横がbの長方形になるから、図2のように、④がちょうど2個ぴったりと入るね。 また、①の上のスペースも同様の長方形になるから、三角形Aに向かい合うように、もう1つ④の直角三角形を置くことができるよね(図の点線部分)。
こうすると、図2の右下の方に、1辺の長さがa+bの正方形ができるよね。
図2を見たらわかるとおり、この右下の正方形の面積は、①+②+④×4となるよね。
〇左上の正方形と、右下の正方形の面積は同じ
左上の正方形も、右下の正方形も、1辺はa+bだから、面積は同じになるよね。
そして、
左上の正方形の面積=③+④×4
=右下の正方形の面積=①+②+④×4
となっているから、③=①+②ということになるよね。
そして、
③の面積はc×c
①の面積はa×a
②の面積はb×b
だから、c×c=a×a+b×bとなる。
〇ほかのやりかた
ほかにも、いろいろな説明方法があるけど、もう1つのやり方をしょうかいしておくよ。
このやり方は、「2次方程式」という中学生で習う計算方法を使うけど・・・図2の、左上の正方形だけを使う説明だよ。
図2の左上のように、④の三角形をぐるっと4つならべると、1辺の長さがa+bの正方形ができるよね。
この正方形の面積は(a+b)×(a+b)で、これを計算すると、
a×a+b×b+2×a×b
となる。
また、この正方形の面積は、図2を見ると分かるように、③+④×4とも表せる。
③の面積はc×cだよね。
④の三角形の面積はa×b÷2だから、④が4つだとa×b÷2×4=2×a×bだよね。
そうすると、正方形の面積は、③+④×4=c×c+2×a×bとなる。
したがって、正方形の面積=a×a+b×b+2×a×b=c×c+2×a×bとなるから、c×c=a×a+b×bとなる。
ほかにも、三平方の定理の説明の方法はたくさんあるよ。
中学生になったら、新しい計算方法もたくさん習うから、またほかの説明の方法を考えてみてね!
【かいとう】
ふつうにつかわれている「湿度」の表示方法を、その計算方法で出すことにする、ということにしたから。
なぜその計算方法で出すことにしたかは、おそらく歴史的なものと、生活する上で便利な点があることが理由と思うよ。
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【せつめい】
〇湿度の表示方法について
ふつうに使われている湿度は、「%」で表すよね。
%というのは、全体を100として、ある量が全体の中のどのくらいの割合かを数で示すものだよね。
食塩水などの水溶液の場合は、「とけている物+水」の重さを全体つまり100として、溶けている物の重さを、100に対する割合の数で表すよね。
たとえば、180gの水に20gの食塩を溶かしたら、全体の重さは200gで塩の重さは20gだから、20÷200=0.1となって、食塩水全体に対して食塩の重さは0.1の割合となるよね。%では全体を100として考えるから、これを%にすると、100×0.1=10%となるね。
湿度も水溶液と同じように考えるなら、「空気全体の重さ(空気中にふくまれている水蒸気の重さ+水蒸気以外の気体の重さ)」を100として、そこに含まれている水蒸気の重さを、100に対する割合の数で表してもよさそうなものだよね。
このように考えると、たとえば空気全体の重さが1250gで、その中に10gのの水蒸気がふくまれていたとすれば、10÷1250=0.008となるから、100×0.008=0.8%の湿度、と表すことになるね。
だけどふつうに使っている湿度は、そのような表し方はしないよね。
〇重量絶対湿度
実は、「重量絶対湿度」といって、これと似たような湿度の表し方もあるんだ。
重量絶対湿度の計算方法も水溶液と少しちがっていて、「空気全体の重さ」ではなく、「水蒸気の重さ」を「水蒸気以外の空気の重さ」と比較するんだ。また、「水蒸気以外の空気の重さ」を1㎏の時として考える、つまり、「水蒸気以外の空気の重さ」が1kgの時に、水蒸気が何gあるか、という数値を湿度とするよ。
「空気全体の重さが1250gで、その中に10gの水蒸気がある」という場合、重量絶対湿度で考えると、「水蒸気以外の空気の重さ」は1240gで、水蒸気は10gになるよね。
これを「水蒸気以外の空気の重さ」が1000gの時として考えるなら、水蒸気も1000/1240倍したらいいことになるから、水蒸気の重さは10×1000/1240=約8.064 gになるね。
このとき、重量絶対湿度としては、「8.064(g/1kg)」という表し方になるよ。
〇相対湿度が使われている理由
よく使われる湿度では、絶対湿度ではなく、「相対湿度」と言って、湿度を(空気1㎥あたりに入っている水蒸気の量)÷(ある温度の1㎥あたりのほう和水蒸気の量)×100という計算で表しているよ(*SJさんの書いていた式は、割る数と割られる数が逆になっているよ)。この計算方法は、「今の温度の空気は、あとどのくらい、水蒸気を入れることができるか」がわかりやすい計算だよね。湿度100%になると、「これ以上、空気の中に水蒸気は入れられない」ということになるもんね。
相対湿度も絶対湿度も、湿度の表し方の一つで、「湿度は、相対湿度で表さないといけない」と決まっているわけじゃないよ。
じゃあ、なぜ相対湿度による表し方がふつうになっているのか、調べたけどよくわからなかったけど、たぶん湿度計の歴史によるものじゃないかと思うよ。
というのは、湿度計はかなり昔から作られていて、もっとも古い湿度計は今から600年前くらいに作られたみたいだし、今でも使われている毛髪湿度計(湿度により毛髪が伸びちぢみするのを利用した湿度計)は250年以上前に作られたみたいだ。
こんな昔には、「1㎏の空気の中に、何gの水蒸気がふくまれているか」なんてことは、はっきりわからなかったんじゃないかと思うんだ。 絶対湿度は「1㎏の水蒸気以外の空気と、水蒸気の重さ」を比べるものだけど、その重さを確認できない以上、絶対湿度を算出するなんてことはできないよね。
毛髪湿度計は、だいたいの湿度を確認できるんだけど、ここで確認できるのは相対湿度なんだ。
昔から相対湿度をずっと確認していたから、相対湿度が「ふつうに使う湿度」になっているんじゃないかな。
あと、湿度が高いと結露(けつろ。水蒸気が、冷たいかべや窓で冷やされて水にもどり、かべや窓に水てきがつくこと)することがあるよね。
結露する場所では、空気中のほうわ水蒸気量を超えていることになるよね。
絶対湿度の数字を聞いても、「ほうわ水蒸気量を超えそうだから、結露しそうだ」なんてことは、すぐにはわからないよね。
だけど、相対湿度なら、「今は湿度90%だから、冷たい窓のあたりでは結露するかもしれない」とすぐにわかるよね。
水に弱い機械や食品を作るような場面では、結露してしまうことは大きな問題だよね。
そういう場面では、絶対湿度よりも相対湿度の方が、使いやすいかもしれないよね。
最近では、不快指数を温度と相対湿度から出したり、洗たく物の乾きやすさの予報なんかもあったりするよ。
こういうのは、相対湿度を知らされていた方がわかりやすいよね。
こういう理由で、相対湿度が、「ふつうに使う湿度」になっているんじゃないかな。